PyramixとHorusを使用した著名アコーディオン奏者のライブ・ミキシング

ライブ・コンサートのミックスに関するトラディショナルなコンセプトを変革する時がやって来ました。 少なくとも、ローマにあるVDMスタジオのイゴール・フィオリーニ(Igor Fiorini)氏は、そう考えていました。そして、そう考えていたのは彼だけではなかったのです。

近年、録音業界はミッション・クリティカルな録音にもDAWを使用してきました。また、Pyramixは既にオリンピックの開会式や閉会式にも使用されました。(参照) そこで、実際にコンサートのミックスで使用したレポートをお届けしましょう。これの技術を使用することは、システムのサイズを大幅に小型にすることができるだけでなく、顕著なアドバンテージを多く持っています。例えば多くのPlug-Inを使用することや、スペースを無駄にせず多くのチャンネルを確保すること、通常のライブ・ミキシング用コンソールよりも高い解像度のDSPを使用できることなどです。

ついに2月中旬、フランスの名アコーディオン奏者「リシャール・ガリアーノ(Richard Galliano)」とバイオリン奏者「グイド・リモンダ(Guido Rimonda)」率いる19人の室内オーケストラ「オーケストラ・カメラータ・ドゥカーレ(Orchestra Camerata Ducale)」が、ローマ・ラ・サピエンツァ大学で行ったコンサートで、それを実践できる機会が訪れました。このコンサートでは、バッハ、ビバルディ、ピアソラなどと共に、ガリアーノ氏オリジナルも4曲演奏されました。

イゴール・フィオリーニ氏は、次の様に振り返ります。 「私のアイデアは、Merging社のHorusを使用してコンサートを簡単に行うことでした。マイクをステージ上のマイク・プリアンプからCat 6のLAN回線に変換してミキシング席に送ったのです。VDM Designスタジオでの経験から、demiQuaverと呼んでいるPyramixのインストールしたPCを使用することにも不安はありませんでした。オーディオ用のモニターとHorus,PC,1本のケーブルだけで全てのセットアップが完了したのです。このクオリティを活かすために、マイクとスピーカーはマッチするレベルのものが必要でした。マイクは大きなダイアフラムのDPAをガリアーノ氏に、DPA 4099を他の楽器に使用しました。スピーカーにはd&b社のものしか持っていませんでしたので、model Tをヘッドに2つとサブに2つ、2台のD6を2台フロントに、だ2台のMonitor Maxをミュージシャン用に使用しました。また、Monitor E3を2台スペアとして用意しました。」

「興味があったので、このイベントを192kHzで行うことにしました。その結果、非常に音質がよかったと思います。この方法はシンプルであると同時に良い結果が出せると分かりました。次からも、同様のコンサートを今回の方法で行なっていこうと思っています。」



リシャール・ガリアーノ氏(アコーディオン奏者)







 
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