2012年9月10日、オーストラリアのイベント会社“Norwest Production”はロンドンで開催されたオリンピックおよびパラリンピックでの全ての作業を終了しました。Norwest社は、2000年に開催されたシドニー・オリンピックから、9月9日夜に行われたロンドン・パラリンピックの閉会式まで、数多くのメジャーなイベントの制作を行っています。2004年のアテネ大会からPyramixはプレイバックに使用されており、Pyramixの出力する音声とタイムコードにより放送が行われ、イベントのタイミングが取られています。
ダニー・ボイル氏(イギリスの映画監督・映画プロデューサー,代表監督作品『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー監督賞を受賞)が制作した開会式は、前回のオリンピックよりも遥かに複雑なセットアップが要求されました。そのためPyramixは128chのプレイバックが可能なようにアップグレードされました。スタジアム音響の全てを請け負った音響監督のスコット・ウィルサレン氏により仕様が決定され、サウンド・デザインは同社のボビー・アトキン氏が行いました。
Norwest社は機器設置の技術的な部分を行い、機器の調達などはイギリスのDelta Sound社,Birtannia Row社,Autograph社が行いました。
Pyramixの出力は、2つのMADIによりDigico SD7コンソールに接続され、タイムコードは照明とビデオ・プレイバック,放送設備,花火装置に送られたほか、舞台監督が出演者に出すキューにも使用されました。
Pyramixのプレイバック、言わばトリガーのオペレーション作業を行ったトレバー・ベック氏はこう言います。「Pyramixはいつも安定しています。同時にショーに柔軟に対応できる機能も持っています。このような莫大な人が観るイベントでは、現場で何が起こっても正しく処理しなくてはなりません。ソフトウェアに制限をかけられていてはダメなのです。」
Norwest社の社長で数多くのイベントのプロジェクト・リーダーを務めたエイドリアン・リデル氏は、Pyramixを選択したのはアテネ・オリンピックの直前だったと語ってくれました。色々な機種が候補に上がった中で、予算的にもPyramixは良い選択だったそうです。「このようなショーで物凄く役に立つ機能はループ機能です。ショーの途中のあるパートが思っていたより長くなった場合はイン・ポイントを設定してループを使用します。次のパートに移ったらループを抜け出します。これでタイムコードは連続する訳です。今ではこの機能無しの人生は考えられませんね。」
マージング社社長のクロード・セリエは、「Pyramixがこのような巨大なイベントに欠くことができない機器として採用されていることを非常に光栄に感じています。Norwest社とはオーストラリア代理店のATT
Audio Controls社を介しての関係ですが、何10億の人達が楽しむショーが私たちの製品に頼られていると思うと謙虚な気持ちになります。」と語りました。
左: ボビー・アトキン氏(サウンド・デザイナー)
右: スコット・ウィルサレン氏(音響監督) |
指揮者: Antoni Wit CJ Multarzynski |
PyramixとISISコントローラー |
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