2019年3月に発表されたMERGING + ANUBISは、当初スタジオ, ポストプロダクションスイート, 自宅スタジオなど、冗長ネットワーク トポロジーが必要ない環境で、低コストで高品質のオーディオ・インターフェイスとして設計されました。
ANUBISが非常に強力な RAVENNA/AES67 ノードであるという事実は、IPでリンクされたローカル データ センターに業務を移そうとしていた主要な国際的な放送局にすぐに認識されました。ANUBISは発表時点で
ST2110 に準拠しており、非常にコンパクトで手頃なパッケージで多数のAES67オーディオストリームをモニターできます。
現在ANUBISは多くの場合 MERGING + HAPI と組み合わせて使用されていますが、顧客からは1つの要求がありました。それは ANUBISを ST2022-7に準拠させることです。ST2022-7に準拠するのはハードウェアの問題であるため、SPS(シームレス保護スイッチング)の搭載はより大きな課題でした。背面パネルに2つ目のRJ45接続が必要です。
Merging社のエンジニアリング チームの反応は迅速で、COVID-19パンデミックの真っ只中のグローバル・ロックダウンにもかかわらず、コンポーネントの調達と新製品の開発が始まりました。
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MERGING + ANUBIS SPS(Seamless Protection Switching)は、ST2022-7に完全に準拠しています。
最初の出荷は、多国籍のマスメディア企業と全ヨーロッパのテレビ・スポーツ・ネットワークの現場で使用するために “dB Broadcast” 社に行われています。大量のANUBIS SPSがリモート・プロダクション施設の重要な要素として、この世界有数の多国籍テクニカル・プロダクションに納品されます。
ANUBISは ANEMANを介して制御すると、多数の RAVENNA/AES67 オーディオストリームを処理できますが、全体的なネットワークの管理コンプライアンスに対応する必要があります。そのためANUBIS
SPSには、NMOS IS-04(検出と登録)およびIS-05(デバイス接続管理)の機能も追加されました。これは、完全なIPインフラストラクチャの統合を容易にするための大きな一歩です。
同時に、ANUBIS SPSと組み合わせた Merging Audio Device(MAD)の発売を開始することで、驚くべき可能性を開きます。
MADはWDMもサポートするマルチASIOドライバーですが、ST2022-7, ST2110, NMOSおよび仮想マシンの制御をサポートするインフラストラクチャ・オプションが用意されます。Merging社は、このインフラストラクチャ・オプションの機能により、中央集中型のデータセンターとサーバーベースのインストールが、放送業界のグローバルな性質を最も効率的な方法で管理することができる新しいスタンダードとなることと確信しています。
ANUBIS SPS をレコーディング用途で考えているユーザーも、2番目のRJ45からメリットを得ることができます。ANUBIS SPSの2番目のポートを冗長パスではなく
“スッイチモード” で使用することで、スイッチングハブを使用することなく、DAWとHORUSまたはHAPIインターフェースを使用することができます。
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さらに、ANUBIS SPS をサポートするFirmwareはすべてのANUBISにインストールでき、すべての出力にフィルタリングを備えたパラメトリックEQが搭載されました。
これはもう1つの一般的な要求であり、あらゆる場所のデスクトップの主要なモニタリング・デバイスとしての役割を大幅に強化します。
今後数か月にわたって、多くのANUBISの機能が計画されています。ANUBIS SPSおよびMADインフラストラクチャパッケージは、放送およびインストレーション業界への主要なソリューション・プロバイダーとしてのMergingの地位をさらに強化するものとなるでしょう。
Merging Audio Device(MAD)について
MADは、現在のRAVENNA/AES67 ASIOドライバーに取って代わり、ワークフローの柔軟性を高めるソフトウェアです。
主要な機能強化の1つ目は、ASIO入出力を共有して異なるアプリケーションを同時に実行できるマルチASIO機能です。さらに内部ブリッジにより、MADを同時に使用してアプリケーション間でオーディオを送信するようにチャネルを定義できます。
ASIOはレコーディング業界で最も人気のあるドライバーですが、公式のMicrosoft WDM(Windows Driver Model)が不可欠である市場もあり、この仕様がMADには組み込まれています。
この追加機能により、MERGING+ANUBISはゲームおよび eスポーツのオーディオ・インターフェイスとして使用できるようになります。ASIOとWDMの組み合わせにより、WDMチャネルをASIOと同じ出力に送信またはミックスしたり、ブリッジチャネルにリダイレクトしたりできるため、非常に高い柔軟性が得られます。これにより、これらのチャネルをASIOアプリケーションでルーティングまたは録音することができます。ユーザーは自分のトラックをSpotifyやYouTubeなどのアプリケーションからの再生と比較しながら、DAWの音を聴くことができます。
Merging Audio Driver Infrastuctureオプションは、ST2022-7シームレス保護スイッチングをサポートするだけでなく、NMOS
IS-04およびIS-05コンプライアンスの追加と、仮想マシンの操作機能を備えています。
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